ぼくの日常

共感と信頼をじわじわ育てる

maruzo_kun

現在唯一まるぞう工房の作品を置いてくださっている、京都の器と切子のお店「結」さん。まだ置かせてもらい始めて1年も経っていないと思いますが、初めからある傾向を感じていました。それは、中国の方が比較的よく買って下さるなぁという事。それも一人や二人ではなく、はっきりと傾向として感じられるレベルで。だから自分一人で言っていたんです。「もう成功したも同然だぞ!」と(笑)
なにせ中国の人口は14億人。有効人口が10億人として、10万人に一人がファンになって下さったとしたら、それでも1万人です。(因みに京都市の人口はざっくり100万人、その中で10人くらいは好きになってくれるはず!と言っているのと同じですね。)その1万人が1万円分の商品を買ってくれたら?そうです、1億です。わ~これはすごい事になるぞ~と、妄想したりしていました。今年の目標は東京進出と中国進出だ~なんて言ってみたり。
そしてその後奇跡が起こって(大事な部分ですが、今回ここがテーマではないので割愛)、実際に中国国内で販売して下さるお店と出会うことが出来ました。この記事はこういうフェーズまで来た時に考えていた事を整理した記事です。

最近は落ち着きましたが、少し前までは国内外の中国の方々からたくさん声をかけて頂いていました。主に自分のお店で販売させてほしいという内容です。急にドドドっと言うような感じです。「これはもしかしたら、本当に生計が立つかもしれないぞ」と思いました。なので、そんな時だからこそ、自分へ釘を刺しておく目的でもこの記事を書きました。

共感と信頼を、ゆっくりを育てなさいよ

早く売れたい。何かに挑戦している人がそう願うのは、決しておかしくないし自然なことだと思います。音楽活動をしていた時期もあったので余計に思うのですが、ちゃんとその活動でお金を稼げないと、どれだけ価値のある事をやっていても続けていくのが難しくなってしまいます。またはずっと本腰を入れる事が出来ない。だから「自分はビジネスがしたいんじゃないから」と言うんじゃなく、自分の作品を待ってくれているまだ見ぬ人のためにちゃんと収入の事は考えないといけないと思うんです。
話が少し逸れました。ただその上で自分の場合、期待するのは爆発的なブームではないと言う事を努々(ゆめゆめ)忘れないようにしておきたい。そうなっちゃいけない。異業界の話で聞いた事があるけれど、売れる時って言うのはあっという間に売れる。それこそ自分が取り残されてしまうくらい、すごい勢いで。先に話したように、いっとき色々なところから取り扱いをさせて欲しいと声がかかり始めました。「あ、こういう事なのかな」って、思ったりしました。「売れる時って言うのはこういう事なんだ。だったら初速が大事、ここで限界まで忙しくして、そして一気に下道から高速道路にのってしまうぞ」と言うマインドで行こうかと考えたりしました。だけど一言でいうと、それはやっぱり違うと思ったんですよね、自分の場合はですが。気持ちが逸(はや)ったり欲を出したりすれば、よくない結果が待っていると言う事を歴史が証明してくれています。

2025年春、中国で取り扱って下さるお店と出会う事が出来ました。人柄も本当に素敵な方で、恵まれすぎている状況。今最優先で考えるべきことは、この奇跡的な出会いを、ゆっくりじっくり育てていくと言う事です。
巨大な大木は地中の中に同じくらい巨大な根っこが存在しています。根が枯れかかってきたり、ほっそりしていると木もヒョロヒョロした状態になります。そもそもきっとそんなに大きくなれないですね。また人で例えてみても、ブランドものだったり派手に着飾っていても体自体は貧相な人がいます。身体作りにはお金や時間をかけずに手っ取り早く上辺に投資する。こう言うのはやっている事が本質的じゃないから、何かあった時にメッキが剥がれ落ちてしまいそうな気がします。

ゆっくりじっくり育てていくのって、地味な作業なんです。植物は何年もかけて大木になるし、身体作りだってどんなに早くても3か月~半年はかかります。反対に派手な行動はやった感が得られます。だからこそ焦っちゃいけない。「今の勢いに乗って、取り扱ってもらえるお店を増やすぞ~」「どんどんいろんな所にDM送って、営業営業っ」いや、焦りなさんなと。何だかまるで、今までモテた事のなかった男の子が、ひょんなきっかけで自信をもって女の子に声を掛けまくってる姿と被ります。その後どうなるかは何となく想像がつく気がします。
土台の部分をしっかり育てる、盤石にするという作業は時間のかかるものです。それを今の時代のせいなのか、知らず知らずそこもすっ飛ばせると思ってしまってないでしょうか。今はSNSを通してとても気軽にDMを送ることが出来ます。片っ端からDMを送って、値段交渉をして、販路を広げていく。
営業は大事だしやり方としては間違っていないと思うのですが、作業化してしまうと心が通わなくなるというか、本当に大切にするべきものを見落としてしまいそうな気がするんですね。歩いている時は気付ける景色も走っていると気づかないようなもので。一昔前は営業活動と言えば足を使うしかなかったので必然的に顔も合わすし、勝手に労力もかかります。だけど今は如何せん全てが簡単。顔も見えないから、相手からのメールが途中で帰ってこなくなるなんてことも珍しくない。だからこそ、一歩一歩を丁寧に踏み出していくために、まずは今既に存在しているご縁をゆっくりじっくり育てる。これが一番大事です。最終的に豊かな人生を歩みたいのならなおさら。何が豊かかと言うのは、まあその人次第なんですけどね。

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ABOUT ME
まるぞうくん
まるぞうくん
ねずみの男の子
まるぞうくんは、一緒に暮らしているお兄さんがやっている、陶芸をいつも見ていました。

そうするうちに自分もやりたくなっちゃって、教えてもらって始めたのでした。
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