“良いかたち”を求めて
良いかたちとはいったい何なのでしょうか。
左右対称が良い?いやそうとも限らない?
時代によって変わるもの?国によっても感じ方は違う?
先日ぼくは、高台を付ける作業をしていました。
高台を付けることで一気に良くなったり、またはパッとしなかったりします。
例えばこちら。もともと上の部分はとても歪んでいました。それはそれで良いんです。
むしろいい感じ。
そこにどんな高台を付けると素晴らしくなるか。ごつい高台か、長さのある高台か。
真っすぐが良いか、広がっている方が良いか。
そんなことを頭の片隅で考えながら付けてみたら、イマイチになりました。
だけどまだまだここから。
写真のように高台を割ってみたら、これでまあまあ良くなったのです。
こちらは割高台にはせずに、下の角を少し取っています。
(削り取ったのではなく、叩いて面を出しました。)
高台の角度も広がってなくて真っすぐです。
上の部分の形が全部違うので、ベストな高台もそれぞれ違うんです。難しい。
これなんかは、付けた高台そのままでOKかなと思ったものです。
そもそも上の部分の形がそこそこ良かった。
ところでこの3枚の写真を見ても分かるように、全部かたちが違ってどれもどこか歪んでいます。
これがぼくにとっての、”良いかたち”なんです。
もしかしたら日本人しか持ち合わせていない感覚、不完全の美です。
いろんな所がゆがんだり曲がったりしている、だけど完璧な形をしている。
そんな優れた作品にはまだまだ及ばないですが、だけど追い求めたいと思っています。
今は均整の取れたものが多いです。そしてどれも寸分違わず同じです。
社会もコモディティ化が言われていますが、
そもそも人の顔もみんな違っているから良いのではないでしょうか。
今はみんな似たような髪形をして、同じような服を着ていますね。
少し話がそれましたが、上手、でもない、下手、でもない。
美しい。なんだかグッとくる。
そう言ったものを作っていければなと思うのでした。