ぼくの日常

自分の作品への値段の付け方

maruzo_kun

簡単だという人にあまり出会ったことのない、値段の決め方。それだけで一冊本が書けるくらいですから。高すぎれば売れにくくなる事は想像が付きますが、安すぎても売れないと言う奥が深く面白い世界です。何冊か本を読んでみると、そこではいろんな考え方が見られましたのでいくつかピックアップしてみます。

正しい値付けをする

(ハンドメイド)作家は、世の中の相場に倣ってはいけない。
世の中の商品は、大量生産のものが多いです。また手作りのものでも、数人のスタッフで分業して製作されたものかもしれません。つまり一つの作品を作るまでの手間暇が全く違うんです。「そんなことは買う人にとっては関係ないからなぁ…」と言うのはその通り。だからこそ、他では作れないものを作らないといけませんね。

得たい収入から逆算する。
ある程度のお金が得られなければ、製作活動が続けられません。と言うか最悪、食べていけません。作っても作っても大した売り上げにならないよりは、やっぱりある程度稼げた方が気持ち的にも嬉しいのではないでしょうか。自分にはいくら必要なのか。ひと月にどれくらい欲しいのか。そこから逆算するというのが2つ目の方法です。
例えばひと月20万円稼ぎたいとします。ぼくの場合ではひと月に作れる数が頑張って30~40個。そうすると、カップや器など1つ当たりの値段は5,000~6,666円くらいに設定する必要があるとなります。
カップが一つ5,000円!?そんなの売れないなぁ…と言うのは自分の先入観。「その値段で買ってくれる人を探しアプローチする」と言うのがこの考え方になります。

値ごろ感。
何か買おうと思っている時、「これって大体これくらいかな」と言う予測を自然と立てているものです。その予測よりも高ければ高いと感じるし、安ければ安いと感じる…なんだか当たり前のことを言っていますが、要はそれが値ごろ感です。叶姉妹とぼくたち庶民ではそれも変わって来そうですが、感覚的にシンプルで比較的決めやすい決め方かと思います。


最終的にぼくは、値ごろ感を大事にして値段を決めていきました。例えばカップ、それが5,000円や6,000円。やっぱり高いです。何万円もするカップや湯呑もありますが、「違うなぁ」と言う感覚。そもそもやっぱり、買ってもらってなんぼです。「この値段だったら2つ買っていこう」と思ってもらえる方が嬉しい。それに、可愛いものを作ってるんだから気軽に使って欲しいです。

とは言え、世の中の相場に倣ってしまうと1,000円や1,500円と言った価格帯になってしまいます。それだときつい。という事で、大体2,000~4,000円台にしました。そして迷ったら、低い方に設定しました。特に今回は初めての個展がありました。実験的な要素も含もうと考えました。つまりあまり売れなかった場合、作品が良くなかったのか値段が高くて売れなかったのかが分からないのは避けようと思ったわけです。それに値段は後から上げることは可能です。下げるのは悪手です。これまでにせっかく買ってくださった方がガッカリしてしまいますから。

作品代全額は入らない

値段付けをする時にもう一つ頭に入れておかないといけない事。それは多くの場合、売り上げの何割かはどこかしらに納めるという事です。陶芸作家が作品を世の中に出すときには、大きく分けて仲介依託直接注文の3パターンあります。

①仲介
一つ目は仲介者がいる場合です。こちらは買い取りとも言うようです。自分のところに誰かが仕事の話を持ってきてくれた場合ですね。その場合は仲介してくれた方に50%の支払いが相場だそうです。基本的には、仲介者が注文個数を買い取ってくれのが一般的なので、買い取りという言い方もするんですね。

②依託
これは一番イメージがしやすいのではないでしょうか。要するにギャラリーなどで個展をさせてもらったりする場合です。その際は売り上げの60~70%を自分が頂くかたちになります。

③直接注文
このパターンは文字通り、お店や個人の方から直接作ってほしいと依頼を頂くケースです。この場合は仲介者がいないため、値段は交渉になります。例えばたくさん注文を頂いた時は多めに値引きをして、少ない場合は、お気持ちだけお値引きします、みたいな感じです。そうやって決めた価格は上代価格と言うようです。


商品の値段をつける場合、特に個人の作家ですと、こういった最終手元に残るお金のことも考えておく必要があります。そうでないと、もし安くで値付けしていたものをたくさん作って欲しいという事になった場合、その金額で受けなければなりません。しかも陶器の場合、全てが上手くとれるわけではないんです。釉がちぢれたり、どこかが切れたりする事もあります。そう言ったロスも出るので注文を受けた場合は多めに作るものです。
この様なことをいろいろ踏まえながら値段をつける。ちょっと大変ですが、しっかりとブランドが出来ていけば後から値段は上げても大丈夫。そうできるようにがんばっていきましょう!

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ABOUT ME
まるぞうくん
まるぞうくん
ねずみの男の子
まるぞうくんは、一緒に暮らしているお兄さんがやっている、陶芸をいつも見ていました。

そうするうちに自分もやりたくなっちゃって、教えてもらって始めたのでした。
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