ハンドメイドマルシェで実践したいこと
これは、ものを売る人ならどんな人にでも共通して言えることだと思います。つまりどんな人でも使えるテクニック。それはイメージングです。もう少し具体的に言うと、自分が買ってもらいたい商品を、相手に対して使ってるシーンをリアルに想像させてあげるんです。モノを売るテクニックと言うと、何だかちょっと胡散臭い、怪しい感じがするかもしれません。だけど多かれ少なかれ何かを買うときには、自分自身でもそれを自然としていると思うんです。
昔訪問販売の営業をしていた事があります。その時に使っていたものの一つにも、イメージングがありました。当時試供品などは持たず、ラミネートした商品写真一枚であらゆる場所を回っていました。基本のスタンスはテクニックではなく“商品とお客さんに対する想い”でしたが、イメージングは”とにかく物を売るための小手先の方法”と言うよりちゃんと有益な手段として自然と行っていました。例えばその人が朝起きた時、仕事に行く前、休みの日、体調のすぐれない日、そう言う時に使っているシチュエーションをお話しながら実生活に落とし込んで一緒に想像するんです。それが具体的になればなるほど、「なるほど〜」とか「そう言う使い方もあるのか」となるんですね。

少し前にハンドメイドマルシェに勉強に行って、実際に体験した事があります。そのお店はピクスルソースを販売されていて、テーブルの前には大きくて綺麗な商品写真を額縁フレームに入れて置かれていました。少し気になって近づいてみると、色んな食材と組み合わせた様子が写真を使って分かりやすく紹介されています。例えば納豆やカレーにそえてあったりする訳です。すると「納豆毎日食べてるなぁ」と想像が始まる訳です。そしたら次に試食をさせて頂きました。その辺りは食品の大きな強みですね。「なるほどこれは肉に合うだろうな〜」などとまたそこで合点がいきます。お酢も使われているので腸活にも良いと。と言う事で買って帰りましたし、家でも納豆を食べる時には実際にトッピングして美味しくいただきました。
それに対してモノの場合は試食することは出来ないので、大事なのはまずはやっぱり視覚的なイメージだと思います。なので一つ目の工夫は、自分の場合も大きな額縁フレームを使って生活感のある中で、魅力の伝わる写真を撮影して飾る。二つ目はショップカードではなく、リーフレットを刷る。リーフレットならそこに複数の写真や文章を盛り込めます。自分もそうでしたが、マルシェに行けば色々とうろつきます。その場で直ぐに買っちゃう場合もありますが、いったんいろんな所を回ってから買いに来ようと思ったりもします。そう言う時には、自分の場合とりあえずリーフレットをもらっておいたりします。
なにより後は実物が目の前にあると言う事。この事が大きな強みのはずです。ECサイトでは手に取ったり、近くで見たいように見るわけにいきませんから。だから単に並べるだけじゃなく、その場の空間づくりがとても重要。見せ方ではなく、魅せ方です。飲み物を入れて使ってもらうわけにいかないので、実際にアクセサリーを使ったり、植物を飾ったりしておく。「こういう風に家で使いたいなぁ」と、何個思ってもらえるか。そういう工夫は考えているだけでも楽しいです。一人ひとりの生活が、より素敵なものになるようなイメージを膨らませてもらえるような工夫。たくさん出していきたいと思います。
