本当の豊かさを感じる。サードウェーブに期待を寄せて

まるぞう工房の名物商品?カップの縁に小鳥がとまっているシリーズです。なんだか水を飲みに来てくれたようで、一緒に居てくれているようで、可愛いでしょ。だけど“使い勝手”を考えたら、自分で言うのも何なんですがやっぱり「使いやすいですよ!」とは言いにくいですね。例えば食洗機に入れたら小鳥が取れてしまいそうで入れられない。洗った後に逆さにして少しの間水を切ろうと思っても、小鳥がいるのでちょっとフラフラします。なんとなく想像出来ると思います。

だけどこれを手に取って買ってくれる方が、結構いらっしゃるんです。利便性を考えたらもっと普通なカップが良いと思います。洗いやすくって、気を使う事もない。それでもこう言ったもの、別に自分の作品じゃなくってもこだわったものを所有するのってなんだか素敵だなって、買ってくれた人を通じて改めて感じます。だって例えば水を飲むだけなら極論紙コップでも良いわけです。花をさすのもなんでも良いし、なんなら花を飾らなくっても生きてはいけます。でも自分の生活に少しあかりを灯すと言うか、自分の好きなもの、ちょっとこだわったものを身の回りに置いたり、普段使いする。なんだか良いな〜って思います。人間らしいって言うのでしょうか。犬や猫はどうなんだろう、「やっぱりこの器で飲む水は美味しいな~」とか思ってるんでしょうかね?当人たちに聞いたことは無いので、思っているのか思っていないのか、決めつけないで置きます。

大量生産、大量消費の時代を長く経験し、これが豊かなのかと思いきや気が付けば空白の30年なんて呼ばれています。実際に心も一緒に豊かになって来たのかと問われれば、否なのではないでしょうか。資産の運用方法や日々のお金のやりくりも重要ですが、同時にもう少し内面にも目を向けていく。そんな時代になっていってくれればなと思っています。
ちなみにコーヒー界隈ではけっこう前からですが、サードウェーブと言う波が来ています。まずファーストウェーブとは、1960年代頃まで続いた大量生産、大量消費の時代。その後の1970年代に入ってからのセカンドウェーブでは、スターバックスに代表されるチェーンが生まれ始めました。街ゆく人が、ブランドのロゴがプリントされたカップを、手に持ち歩く光景が見られ始めたのがこの辺りからです。そして現在のサードウェーブとはどんなものかと言いますと、生産者の見える豆を一杯ずつハンドドリップで淹れるムーブメントのこと。それまでは「ブルーマウンテン」や「キリマンジャロ」という様に産地で呼ばれていましたが、最近では農園名で買えるお店がとても増えています。
ライフスタイルにも大きな影響を与えてきたコーヒー文化ですが、サードウェーブの様な波は事実少しずつ、普段の生活にも溶け込んでいっているような気がします。せっかく豆や淹れ方にこだわるのなら、それを味わうカップや周辺ツールにもこだわりたいと思うのは、自然な流れではないでしょうか。これからもっと、そういう時代になって行くように思っていますし、願っています。
